准教授 小久保伸人 (Nobuhito Kokubo)
M1 岡澤 智
B4 片岡 駿之
B4 長沢 圭祐
ナノスケールという極めて小さな世界では、粒の性質と波の性質とが共存した不思議な現象が現れます。原子や電子といったミクロな世界を支配する”量子力学”が描く性質で、我々が日ごろ目にする経験則で理解するのは容易ではありません。見ることだけでも大変な小さな世界ですが、最近の可視化技術の発展や成熟した微細加工技術により、自然には存在しない“小さな物質(ナノ構造)”を自由な発想で創りだし、新しい機能を持たせることができるようになってきました。新しい原理にもとづく工学的応用のアイデアの宝庫として、今後の発展が期待されています。
超伝導は小さな世界を支配する量子力学が我々の目前にマクロなスケールで現れる稀有な現象です。巨視的な量子現象と呼ばれ,電気抵抗がゼロとなる完全伝導性と磁場を排除する完全反磁性で特徴づけられます。超伝導体もナノスケールにすると新しい機能が生まれます。当研究室では極めて微弱な磁場や熱を捉える超伝導センサとこれを用いた低温熱・磁気顕微鏡を開発し、これを用いた実空間計測を行っています。磁束量子(渦糸)の摩擦ダイナミクスや特異な低次元電子物性の探索を行っています。
研究の分野:超伝導量子干渉計,マイクロ/ナノ構造,低次元量子現象,渦糸物理
尖端径100 nm程度の鋭利なガラス管をテンプレートとしたナノサイズの超伝導量子干渉計(SQUID)を開発しています.数ボーア磁子(数電子スピン)に相当する小さな磁気モーメントの検出と数10 μKの温度変化に相当する僅かな熱の検出の両方が可能です.これをプローブ顕微鏡に実装することで,極めて微弱な磁場分布や熱分布をナノスケールで可視化(イメージング)することができます.ゲート電圧を任意の位置で印加することもできるので,ナノスケールのデバイス評価に有効です.これまで見ることができなかった物理現象を詳らかにする超伝導熱・磁気顕微鏡の開発を目指しています.
キーワード:超伝導量子干渉計(SQUID),ジョセフソン効果,電子スピン
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